ニキビダニとは|症状や増える原因、ニキビとの違い、治療法を解説

ニキビダニとは|症状や増える原因、ニキビとの違い、治療法を解説
美容知識
肌の機能・構造

ニキビ薬を使っても、なかなかニキビや赤みが改善しないと悩んだ経験はありませんか。
ニキビのように見える赤いポツポツは、ニキビダニの過剰な増加など、一般的なニキビとは異なる原因で生じているケースもあります。
このページでは、ニキビダニの増加に伴って現れる症状や過剰に増える原因、医療機関での治療、自宅でできる予防策などを解説していきます。

ニキビダニ(顔ダニ)とは

ニキビダニ

ニキビダニ(顔ダニ)とは、お肌に生息する常在性の微小なダニのことです。
毛包(毛穴の奥)に存在する デモデックス・フォリキュロルムと、皮脂腺やマイボーム腺に常在するデモデックス・ブレビス(皮脂腺虫)の2種類が挙げられます。
大きさは0.1〜0.4mm程度と非常に小さく、肉眼で確認することはできません。

健康なお肌にもダニや菌は存在する

「顔にダニがいる」と想像すると、気持ち悪く感じたり、不安になったりする方もいるかもしれません。
しかし、健康なお肌にもニキビダニが確認されることがあり、表皮ブドウ球菌やアクネ菌など、さまざまな常在菌とともに生息しています。
こうした微生物の一部は、ほかの微生物とバランスを保ちながら、皮膚環境の維持に関わっていると考えられています。

ニキビダニは誰の顔にもいるの?

ニキビダニの検出率は年齢や検査方法などによって異なりますが、特に成人では広く存在すると考えられており、年齢とともに検出される割合が高まる傾向にあります。
そのため、「誰の顔にも必ずいる」とは言い切れないものの、多くの方のお肌に存在する身近なダニといえます。

ニキビダニによって現れる症状

鏡を見ている女性

ニキビダニは通常、存在するだけでは赤みやブツブツを引き起こしません。
しかし、なんらかの要因によってニキビダニ症を発症すると、次のようなトラブルが現れることがあります。

ニキビダニ症で見られる主な症状

  • 顔(頬やまぶたなど)に赤みが出る
  • ニキビのような赤いブツブツができる
  • 白い粉や薄片状の鱗屑(りんせつ)が見られる
  • お肌が乾燥したり、ざらついたりする
  • かゆみやむずむず感がある

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ニキビダニはお肌を噛む?症状が現れる仕組み

顔に赤みやブツブツが現れると、「ニキビダニに噛まれたのでは?」と考える方もいるかもしれません。
しかし、ニキビダニは人を刺したり吸血したりする一部のダニとは性質が異なるため、皮膚表面を噛むことで症状を引き起こすとは考えにくいです。
実際には、ニキビダニの過剰な増加に伴う毛包への物理的な影響や、皮膚の免疫反応などが関与していると考えられています。

ニキビダニが増えやすくなる原因

英語で原因とかいてある紙と虫眼鏡

ニキビダニが過剰に増える背景には、薬剤の使用や免疫機能、皮脂量、スキンケアなどが関与していると考えられています。

ニキビダニが増殖しやすくなる原因

  • ステロイド外用薬の使用
  • 免疫機能の低下
  • 皮脂の過剰分泌
  • 不適切なスキンケア

ステロイド外用薬の使用

顔にステロイド外用薬を長期間使用すると、皮膚の局所的な免疫反応が抑制され、ニキビダニが増えやすくなる可能性があります。
赤みやかゆみが気になる場合でも、自己判断で市販のステロイド外用薬を使い続けることは避け、症状が改善しない場合は医師に相談するようにしましょう。

免疫機能の低下

ストレスや睡眠不足、疲労など、さまざまな影響によって体の免疫機能が低下すると、ニキビダニが増加しやすくなる可能性があります。
また、研究段階ではありますが、HIV感染症などの免疫機能が低下する病気との関連も指摘されています。

皮脂の過剰分泌

ニキビダニは皮脂などを栄養源にしていると考えられており、皮脂分泌が多い環境では、過剰に増えやすくなる可能性があります。
そのため、脂性肌でお肌がべたつきやすい方は特に注意が必要です。

不適切なスキンケア

「洗顔不足でニキビダニが増える」「油分の多い化粧品で増殖する」と単純に言い切ることはできません。
ただし、不十分な洗浄やお肌に合わない化粧品の使用、洗いすぎなどの不適切なスキンケアが繰り返されると、皮膚環境の乱れにつながり、結果的にニキビダニによる症状が目立ちやすくなる可能性があります。

ほかの肌トラブルとの見分け方

ニキビダニによる皮膚症状と一般的なニキビは、原因や特徴が異なります。
また、赤みやブツブツなどの症状は、酒さや毛嚢炎(毛包炎)、脂漏性皮膚炎などと似ている場合もあるとされています。

ニキビダニ症 一般的なニキビ
見た目 赤み、赤いブツブツ、
白い鱗屑、小さな膿疱など
白・黒・赤・黄ニキビ
症状 かゆみやヒリつき 炎症が強いとやや痛む
主な原因 ニキビダニの過剰増殖
皮膚の免疫反応
毛穴の詰まり
アクネ菌の増殖
好発部位 顔(特に頬)など 顔、胸、背中など

※外見上の特徴だけで見分けることは難しいため、気になる症状が続く場合は皮膚科を受診することが重要です

ニキビとの違い

ニキビは、毛穴詰まりやアクネ菌の増殖などが関与して起こる皮膚疾患です。
白ニキビや黒ニキビ、赤ニキビ、黄ニキビ(膿疱)など、さまざまな症状が現れます。
ニキビダニ症は、かゆみやヒリつきなどを伴う場合がありますが、一般的なニキビはかゆみが気になることは少ないとされています。

毛嚢炎(毛包炎)との違い

毛嚢炎(毛包炎)は、毛穴部分に赤みや膿をもったブツブツが見られる症状です。
黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌などの常在菌が発生に関与しています。
ニキビダニ症は顔(特に頬)に見られやすい症状ですが、毛嚢炎は毛穴がある部位ならどこにでも発症することがあるとされています。

酒さとの違い

酒さは、頬や鼻などの顔の中心部に赤みやほてりが現れる慢性の皮膚疾患です。
毛細血管の拡張が目立つことがあり、症状によっては赤い丘疹や膿疱を伴う場合もあります。
ニキビダニ症と酒さは互いに無関係とは言い切れない病態で、ニキビダニが酒さの悪化に関与する可能性も指摘されています。

脂漏性皮膚炎との違い

脂漏性皮膚炎は、赤みやかゆみ、白色〜黄色の鱗屑(りんせつ)などを伴う皮膚疾患です。
マラセチア菌などが関与して起こるとされており、皮脂分布が活発な頭皮や眉間、鼻の周り、耳の周辺などに現れやすいのが特徴です。
ニキビダニ症と症状がよく似ていますが、湿り気のある黄色っぽいフケがある場合には、脂漏性皮膚炎が疑われることがあります。

ニキビダニの検査方法

顕微鏡

ニキビダニによる症状が気になる場合は、皮膚科の受診を検討しましょう。
検査では、症状のある部位から皮膚表面の角質などを採取し、顕微鏡でニキビダニの有無や数を確認します。
検査方法には皮膚を軽くこすって採取する方法や、粘着テープなどで皮膚表面の検体を採取する方法などがあります。

なお、自由診療中心のクリニックではニキビダニ検査に対応していない場合もあるため、事前に確認しておくと安心です。

ニキビダニによる症状の治し方

外用薬を指に出している女性

ニキビダニによる症状が気になる場合は、医師処方の薬剤で治療することができます。

医師処方の外用薬・内服薬

ニキビダニ症に対して皮膚科では、イベルメクチンクリームやロゼックスゲル(メトロニダゾール)などの薬剤が処方されることがあります。
また、症状に応じてテトラサイクリン系の抗菌薬や、補助目的で漢方薬などが選択される場合もあります。

ニキビダニ症に対して用いられる代表的な薬剤

イベルメクチンクリーム
ニキビダニを駆除する目的で用いられる(自由診療)
ロゼックスゲル(メトロニダゾール)
主にニキビダニによる赤みや炎症を抑えたい場合に用いられる
内服抗菌薬

テトラサイクリン系のビブラマイシン(ドキシサイクリン)やミノマイシン(ミノサイクリン)などが用いられる

市販薬でも対処できる?

かゆみや炎症を抑える市販薬によって一時的に症状が和らぐ場合はありますが、ニキビダニの過剰な増加そのものに対処することは難しいと考えられます。
また、かゆみや赤みが気になるからといって自己判断でステロイド外用薬を使用すると、ニキビダニの増加につながる可能性もあるため注意が必要です。

ニキビダニ症はニキビや酒さなどと症状が似ており、見た目だけで判断することは難しいため、市販薬で対処を続けるのではなく、皮膚科を受診することをおすすめします。

医療機関で行われるニキビ治療について詳しく知りたい方は、ニキビ治療とはをご確認ください。

炎症が落ち着いたあとの肌悩みに対する美容施術

ニキビダニによる赤みや膿疱などの症状が落ち着いたあとも、肌質や毛穴の目立ちなどが気になる場合があります。
こうしたケースでは、残っている肌悩みに応じて、美容皮膚科(自由診療)でIPL治療やケミカルピーリングなどの美容施術が検討されることがあります。

炎症が落ち着いたあとの肌悩みに対する選択肢

IPL治療(赤みや毛細血管の拡張に)

ケミカルピーリング(毛穴詰まりやざらつきに)

メソナJ(乾燥や肌荒れなどの肌悩みに)

自宅でできるニキビダニ対策

ニキビダニは健康なお肌にも生息しており、存在自体が問題になるわけではありません。
そのため、ダニを完全に取り除くことを目指すのではなく、過剰な増殖や炎症が起こりにくい環境に整えることが、健やかなお肌を維持するためのポイントとなります。

清潔なメイク用品やタオルを使う

清潔なメイク用品

メイクブラシやパフ、タオル、枕カバーなどを不衛生な状態で使い続けると、皮脂や汚れが付着し、お肌への刺激につながる可能性があります。
そのため、メイク用品や寝具類は定期的に洗浄し、清潔な状態を保つように心がけましょう。
また、一般的な感染症と同じように捉える必要はありませんが、衛生面を考慮し、直接お肌に触れるものについては、他人との共有を避けることが望ましいでしょう。

お肌にやさしい洗顔を心がける

洗顔している女性

ニキビダニは毛包や皮脂腺などに存在するため、通常の洗顔だけですべてを取り除くことは困難です。
そのため、過度な洗浄でニキビダニを落とそうとするのではなく、お肌に必要なうるおいを守りながら、余分な皮脂やメイク汚れを適切に落とすことを意識しましょう。
また、洗顔後は適度に保湿を行い、お肌のバリア機能を保つことで、炎症の起こりにくいお肌を維持しやすくなります。

バランスのよい食生活を意識する

バランスの取れた食材

ファーストフードや揚げ物、甘いものなどに偏った食生活が続くと、お肌の健やかさを保つために必要な栄養素が不足する可能性があります。
食生活を整えることでニキビダニの増加を直接防げるわけではありませんが、お肌の健康を維持するためには、日々の栄養バランスにも配慮することが大切です。
特定の食品に偏らず、たんぱく質やビタミン、ミネラルなどをバランスよく摂取するようにしましょう。

まとめ

ニキビダニに関する重要なポイントは、次のとおりです。

  • ニキビダニは多くの成人のお肌に生息する非常に小さなダニ
  • 過剰に増えると赤みやブツブツ、かゆみなどにつながる場合がある
  • ニキビダニ症は通常のニキビや毛嚢炎、酒さ、脂漏性皮膚炎などと症状が似ている
  • ステロイド外用薬の使用や免疫機能の低下、皮脂の過剰分泌、スキンケアによる刺激などがニキビダニの増加に関与する可能性がある
  • 皮膚科ではイベルメクチンクリームなどを用いた治療が行われる

ニキビダニは、健康なお肌にも生息するとされる非常に小さなダニの一種です。
そのため、ニキビダニがいること自体を過度に心配する必要はありません。
一方で、ニキビのようなブツブツや赤み、かゆみなどが続く場合は、ニキビダニ症や別の皮膚疾患が隠れている可能性があります。
気になる症状がある場合は、自己判断で対処せず、皮膚科を受診して原因を確認するようにしましょう。

よくある質問

ニキビダニによる症状は自然に治りますか?

症状の程度やお肌の状態によって経過は異なるため、自然に治るとは一概にいえません。
ニキビダニは健康なお肌にも存在しますが、過剰な増加が関与して赤みや膿疱、かゆみなどが現れている場合は、治療が必要になることがあります。

ニキビダニは人や犬、猫からうつりますか?

ニキビダニは、頬ずりなどの密接な身体的接触によって、人から人へ広がる場合があります。
一方で犬や猫、ハムスターなどの異なる種に寄生するニキビダニが、そのまま人に定着してニキビダニ症を引き起こすことは考えにくいとされています。

ニキビダニは肉眼で見えますか?

ニキビダニは0.1〜0.4mm程度と非常に小さく、基本的に肉眼で確認することは困難です。
そのため、ニキビダニの数を調べる際は、皮膚から採取した検体を顕微鏡で確認する方法などが用いられます。

ニキビダニは洗顔料やスキンケア用品などで殺せますか?

一般的な洗顔料やスキンケア用品で、毛包や皮脂腺などに存在するニキビダニをすべて死滅させることは困難です。
ニキビダニを減らそうとして過度に洗顔したり、殺菌作用のある製品を使ったりすると、お肌のバリア機能が低下し、かえって肌荒れにつながる可能性もあるため注意が必要です。

参考文献
田邉洋 他. ニキビダニ症の1例. 天理医学紀要. 2023, 26 (2) : 123-131

記事の作成者表参道メディカルクリニック編集部
表参道メディカルクリニックの美容情報をお知らせ!メニューやお肌の知識のご参考にお読み下さい。まだ敷居が高いイメージのある美容クリニックをもっと身近に感じて貰うため、美容に馴染みのない方にも分かりやすく発信します。

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