皮膚の構造(表皮・真皮・皮下組織)を紹介【機能の違い】
ここは「皮膚の構造・役割」の紹介コラムです。皮膚を構成する3つの層と、各層の違いなどぜひご参考ください。
◆このコラムで分かること
皮膚の構造
- 表皮層
- 真皮層
- 皮下組織
皮膚は主に上記の3つの層で構成されている臓器です。
日本人(成人)の平均でおよそ1.6㎡(畳1枚分)になり、体重の約15%を占めています。
・表皮層
表皮は皮膚の中で最も外側にある層です。つまり人体の中で一番外側にあり、外気に面しています。
主に塵埃、細菌などが体内に入らないようガードしてくれている層です。
外気に面している部分では細胞の死骸(垢)が重なり、その上を汗と皮脂が混ざった皮脂膜が覆っています。
・真皮層
真皮層は表皮と皮下組織の間にあります。
主に皮膚が衝撃によって簡単に崩れないように形を保ってくれる層です。
皮膚の張りや弾力となるコラーゲンやエラスチン、水分を保持するヒアルロン酸を生産しており、美容においても重要な働きをしています。
・皮下組織
皮下組織は皮膚の中で一番内側にあり、骨や筋肉のつなぎ目になっている層です。
大部分が皮下脂肪で構成されており、体内を衝撃から守るクッション的な役割を持っています。
また熱をあまり通さない性質を持つことから、外部から来た過剰な熱を遮断し、内部から逃げてくる熱を閉じ込める、保温機能としても動いています。
皮膚の役割
皮膚は上記の3つの層がそれぞれ機能して、さまざまな役割を担っています。全ての皮膚層の役割をまとめると、下記の5つが挙げられます。
- バリア機能
- 老廃物の排出
- 体温の調節
- エネルギーの保管
- 感覚の伝達
・バリア機能
皮膚は外気に面しているため、菌や衝撃を一番最初に受けます。この時に皮膚は体内にその刺激が入らないようためのバリアとなっているのです。
また、バリア機能を高めるために皮脂膜を分泌したり、外敵を跳ね返すクッションやバネになる成分を自身で作り出します。
そうして摩擦、衝撃、紫外線、微生物など、自分と異なる物質の侵入を止めて、身体を守っているのです。
・老廃物の排出
皮膚は身体で不要になった成分や熱の排出も行います。
汗や皮脂が出るのは体内の老廃物を排出するためでもありますが、分泌物自体に肌を保護する効果もあります。
・体温の調節
暑い日には体内に溜まった熱を外に出すために発汗を促します。
逆に寒くなると立毛筋を収縮させて熱を閉じ込めるなど、保温機能としても作用しています。
・エネルギーの保管
人が活動するために必要なエネルギーを作る際は、主に糖質や脂質が必要です。
エネルギー源を実際に必要なエネルギー以上に摂取してしまった場合、皮下組織が脂肪として蓄えます。
・感覚の伝達
皮膚には神経が通っており、触れたものの凹凸や固さなどが分かります。
痛みや痒みも感じる部分なので、傷や熱による刺激を察知して危険を知らせる役割もあります。
表皮層を詳しく解説
表皮層とは皮膚を構成する層の一つです。
人の皮膚は主に「表皮層」「真皮層」「皮下組織」の3つの層が重なってできています。
表皮はその3つの中で一番外側にある層で、厚さは平均してたったの2mm程度です。
毛細血管を通じ真皮から栄養を吸い上げて、細胞分裂を繰り返しながら新しい細胞を形成しています。
・表皮の構造
- 基底層
- 有棘層
- 顆粒層
- 角質層
皮膚層の1つである表皮は、さらに上記の4つの層に分けて考えられています。
基底層
基底層は表皮の中で一番内側にある基底細胞で出来た層です。真皮と接触しており、その接着部分には基底膜があります。基底膜では真皮からの栄養の受け取りや、表皮細胞の機能調整などが行われています。
・ケラチノサイト
ケラチノサイトは簡単に言うと表皮を構成している細胞です。表皮は大部分がケラチノサイトと、それが変化した細胞で占められています。
基底細胞は分裂してケラチノサイトを作り、ケラチノサイトは有棘細胞、顆粒細胞、角質細胞へと形を変えながら徐々に上の層へ。
そして最後は核をなくして垢(細胞の死骸)となり、やがて剥がれ落ちてなくなります。この細胞の生産と排出の流れが「ターンオーバー」というものです。
・メラノサイト
メラノサイトは、基底層の細胞の間に点在している樹状突起を持った細胞です。
紫外線が肌に当たったとき、その刺激を内部に侵入させないため、メラニンを作り出します。
メラニンは黒い色素なので、過剰に生産されて排出が間に合わなければ、肌の黒ずみとして残ります。
有棘層
有棘層は顆粒層のすぐ下にある層。3~8層に重なった有棘細胞で出来ており、表皮の中で最も厚い層です。
有棘層ではランゲルハンス細胞が突起を伸ばしあって網目状のネットワークを形成し、異物の侵入を察知しては取り除いてくれます。(アレルギー反応はこの時に起こるものです)
顆粒層
顆粒層は角質層のすぐ下にある層です。
紫外線の侵入を防ぐケラトラヒアリン顆粒が大量に含まれた顆粒細胞が、2~3層に重なって出来ています。
角質層が正常に機能するため必要なセラミドなどの保湿成分も作っています。
角質層
角質層は表皮層の中でも一番外側にある層。つまり普段、私達の目に見えている肌がこの角質層です。
しかし角質層は0.02mm程度しかなく、食用品のラップくらいの薄さしかありません。
角質層には次の2つの役割があります。
- 外側からやってくる異物の侵入を防ぐ
- 内側から蒸散してくる水分を逃がさない
角質層はいくつもの角層細胞が重なって出来ています。角層細胞と角層細胞の重なりの間に挟まっているのは脂質です。
角質層の一番外側は、皮脂と汗が混ざって出来た皮脂膜に覆われています。
皮脂膜、角層細胞、脂質、これらによって肌は外部からの埃や菌をブロックして、内側で起こる水分の蒸散を防いでいるのです。
・角層細胞
角層細胞はケラチノサイトが変化して出来た核のない細胞。つまり垢(細胞の死骸)です。
角層細胞が重なって出来ている角質層は、言い換えれば細胞の死骸が重なってできた層。
しかし角層細胞に核や小器官はありませんが、内部には15~20%の水分、そしてケラチンという繊維状のタンパク質が含まれています。
その他にも、天然保湿因子(NMF)やアミノ酸、乳酸といった成分も。また、化粧水や美容液の成分も吸収しています。
健康な表皮が身体を守る!
表皮層が健康で丈夫な状態であれば、身体に害のある刺激をしっかりと防いでくれます。
皮膚の状態は毎日の食生活や睡眠、ストレスなどの体内環境が大きく関わってきますので、規則正しい生活習慣を心掛けましょう。
表皮がボロボロでは、摩擦や紫外線、乾燥など様々なダメージが身体を脅かします。
美容について、肌の健康についてお悩みがあればぜひ当院へご相談ください。来院のご予約はもちろん、電話やメールでのお問い合わせもお待ちしています。
真皮層を詳しく解説
真皮層とは皮膚を構成する層の一つです。
皮膚は外側から「表皮」「真皮」「皮下組織」の3つの層が重なってできています。真皮は皮膚の大部分を占めており、皮膚層の中で一番厚い層です。
真皮の厚みは部位によって変わりますが、平均して2mm程度。背中が最も厚く約3mm、瞼や耳たぶは薄く0.6mm以下と言われています。
手の平や足の甲も薄いため、そこは血管が透けて見える人も多いでしょう。
・真皮層の構成
真皮には乳頭層と網状層があります。
乳頭層は表皮にも食い込み、毛細血管や神経を通わせて表皮に栄養を与え、刺激をキャッチ。
真皮の大部分を占めるのは網状層であり、その層にあるコラーゲンなどの美容成分が皮膚を支えています。
・網状層にある美容成分
網状層のほとんどは繊維成分のコラーゲンやエラスチン、そしてゼリー状のヒアルロン酸で構成。
網目状に張り巡らされているコラーゲンやエラスチンの隙間にヒアルロン酸が敷き詰められているイメージです。
コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸は、真皮内にある線維芽細胞から生成されています。
・真皮層の役割
- 感触を知らせる
- 皮膚の形や弾力を保つ
- 表皮の栄養を整える
- 体温を調整する
- 肌の環境を守る
・感触を知らせる
真皮には神経が通っており、触った感触を脳へ届けます。
熱い、冷たい、痛い、痒いなどの刺激のセンサーとなるので、危険を察知するために必要です。
・皮膚の形や弾力を保つ
真皮のほとんどを占めるコラーゲンやエラスチン、そしてヒアルロン酸は、簡単に言うと皮膚のクッションやバネになる美容成分です。
外部からの衝撃への抵抗力や触り心地を良くするためには、真皮の働きを活発にしてこれら美容成分を補うことも大事です。
・表皮の栄養を整える
真皮には毛細血管やリンパ管が通っています。しかし表皮にはありません。
真皮の血管・リンパ液から、表皮へと栄養・酸素・水分が送られ、二酸化炭素などの老廃物が取り除かれています。
・体温を調整する
真皮にある血管は、暑くなると拡張して血液の流量を増やして熱を体外へ。そして逆に寒くなると収縮して、血液と共に熱が逃げるのを防ぎます。
汗を分泌する汗腺も真皮層にあり、体温が上がり過ぎたときは発汗によって身体の熱を排出します。
・肌の環境を守る
真皮には皮脂を分泌する皮脂腺があります。
真皮は皮脂と汗を分泌して、皮脂と汗の混ざり合った皮脂膜で皮膚を覆います。
その皮脂膜は、肌のバリア機能向上と水分の蒸発防止に効果を発揮。汗は酸性なので、細菌の繁殖しにくい弱酸性に肌を傾ける効果もあります。
真皮層は身体を衝撃から守る盾になる
人の皮膚で目に見えている部分は表皮層ですが、皮膚の大部分を占めるのは真皮層です。真皮層が人の肌の弾力を決めており、真皮層が弱ると簡単に凹みやたるみが生まれます。
美容クリニックの施術には真皮に働きかける美容治療もたくさん。美容に関してお悩みがあれば、ぜひ気兼ねなくご相談ください。
来院のご予約はもちろん、電話やメールでのお問い合わせもお待ちしています。
皮下組織を詳しく解説
皮下組織は、皮膚を構成する3つの層のうちの一つです。
皮膚は「表皮」「真皮」「皮下組織」の3つの層が重なって出来ています。
皮下組織は3つの皮膚層の中で一番内側にあり、皮膚と筋肉・骨を繋ぎ合わせている部分です。
皮下組織は脂肪を多く含んでいることから皮下脂肪組織とも言われています。
・皮下組織の構造、厚さ
皮下組織の構成は脂肪細胞が大部分を占めています。
皮下組織の厚みは部位ごとに違い、平均的な厚さは約2mm、厚い部位では10mm以上になるところも。
内部には大きな血管・神経・汗腺があり、栄養の運搬や老廃物の排出を手伝います。
・皮下組織の役割
- 刺激を和らげる
- 体温を保つ
- エネルギーを蓄える
・刺激を和らげる
皮下組織にある脂肪は、外部からの衝撃を防ぐクッションになります。
皮膚よりも内側の筋肉や臓器へ伝わる振動を抑え、ダメージを防ぎます。
・体温を保つ
皮下組織は熱が伝わりにくい性質を持ち、過剰な熱が身体の内側に届かないよう守ります。
また、逆に身体の内側から必要な熱が逃げないように閉じ込める役割も。
体内の熱の生産と放出のバランスを調整して、体温を保持してくれます。
・エネルギーを蓄える
皮下組織は摂取したエネルギーが逃げないよう、脂肪という形にして蓄えています。
脂肪は贅肉という悪いイメージが先行しがちですが、身体に必要な成分であり、いざというときの活動エネルギーになります。
皮下組織にある脂肪が身体を守る
皮下組織は皮膚の中一番内側にあり、表皮と真皮を支えている層です。
皮下組織の大部分は脂肪。ダイエット中は悪者にされがちな脂肪も、実は身体にとって重要な役割を果たしています。
もしも肌や美容に関してお悩みがあれば、ぜひ当院に一度気軽にお越しください。
来院のご予約はもちろん、電話やメールでのお問い合わせもお待ちしています。
皮膚が身体の内部を守っている
人体は皮膚が外側を覆うことで、外敵からの侵入を防いでいます。スキンケアはそんな皮膚を丈夫にするために大事な行いです。
皮膚が元気になることで、美しさだけでなく身体の免疫力が高まり、身体の不調を抑えやすくなります。
肌に関してお悩みがあれば、ぜひ当院にお越しください。来院のご予約はもちろん、電話やメールでのお問い合わせもお待ちしています。
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