ハイドロキノンとは?効果や副作用!市販のクリームはどうなの?
ここは「ハイドロキノンとは何か」の紹介コラムです。シミ治療で活躍しているハイドロキノンの、よくある疑問を誰でも分かりやすいように解説します。ぜひご参考下さい。
◆このコラムで分かること
ハイドロキノンとは
ハイドロキノンは、自然界に存在する成分で、イチゴ、麦芽、コーヒー、紅茶などに含まれています。
長らくその美白効果が知られ、美容クリニックではシミ治療に広く使用されています。
アメリカでは、ハイドロキノンを活用したケアが美白治療の主要な方法とされています。
興味深いことに、ハイドロキノンは写真の現像にも利用され、肌を白く見せる役割を果たしています。
ハイドロキノンの効果
シミは、肌の黒ずみの原因として、メラニンという黒い色素が皮膚内で蓄積することによって生じます。
このメラニンは、メラノサイトと呼ばれる細胞で生成されています。
ハイドロキノンは、メラノサイトに作用して、メラニンの生成を抑制する効果があります。
通常、メラニンは時間の経過とともに肌の自然な再生プロセスで排出されます。
つまり、ハイドロキノンによってメラニンの生成を制御すれば、シミは自然に薄くなることが期待されます。
他の薬や施術と併用すると効果アップ
ハイドロキノンは新しいメラニンの生成を抑制する効果があり、既存のシミの排出を増進する力は限定的です。
したがって、ハイドロキノンと組み合わせて、シミの排出(ターンオーバー)を促進する治療法を併用することで、より効果的にシミの治療ができます。
たとえば「トレチノイン」はターンオーバーを促進する成分。
また、成分の浸透を向上させる役割も果たし、ハイドロキノンと一緒に処方されることが多いです。
美容界で有名なドクターズコスメ「ゼオスキン」には、ハイドロキノンとトレチノインを併用したコスメ「ミラミックス」があります。
ハイドロキノンのメリット
シミの問題を解決する方法として、強力な医療レーザーなどの処置よりも、リスクが比較的低い内服薬や外用薬、ハイドロキノンなどの選択肢があります。
実際、レーザー治療の後、新しいメラニンが生成されないようにハイドロキノンを処方されることもあります。
ただし、副作用の可能性もあるため、まずはクリニックでシミがハイドロキノンで治療できるかどうかを確認し、その後に使用を検討しましょう。
ハイドロキノンの主な副作用
- 炎症
- 白斑
・炎症
ハイドロキノンを初めて使用すると、赤みやヒリヒリ感が起こることがあります。
しかし、使用を続けると、体はこれに慣れ、症状は次第に収まります。
ただし、副作用が持続する場合や症状が強い場合は、使用を中止すべきです。
アレルギー反応の疑いがある場合は、クリニックで相談し、継続使用の可否を確認しましょう。
・白斑
高濃度のハイドロキノンを長期間使用すると、皮膚の色抜けである白斑のリスクが存在します。
白斑はメラニンを生成する細胞が損傷し、肌が白くなる現象です。
現在では、濃度が5%以下のハイドロキノンを使用している場合、白斑の報告はほとんどありません。
そのため、通常のクリニックでは、濃度4%のハイドロキノンを処方することが一般的です。
長期的な使用を考える場合、半年ごとに使用を中断し、休薬期間を設けることも検討されます。
ハイドロキノンでシミが濃くなる?
ハイドロキノンを使用すると、メラニンの生成が抑制されます。
メラニンは紫外線から肌を守るための色素で、ハイドロキノンを使う間は紫外線からの保護が特に重要です。
なぜなら、ハイドロキノンのおかげでメラニンの自然な防御機能が低下し、紫外線によるダメージがかえってメラニンの生成を刺激する可能性があるからです。
そのため、ハイドロキノンを使用中は、紫外線から肌をしっかり守るための対策が必要です。
ハイドロキノンでガンが発症する?
ハイドロキノンの濃度が5%の場合、動物実験では発がん性のリスクが示唆されていますが、これが人間にも当てはまるかは未だ確定されていません。
ただし、高濃度のハイドロキノンを使用する際には、この点に留意することが重要です。
安全かつ効果的に使用するためには、クリニックから提供された指示や正しい用量を守ることがおすすめされます。
ハイドロキノンは市販されている?
一般の化粧品にはハイドロキノンが含まれているものがありますが、これらは濃度が規制されていないため注意が必要です。
濃度が高すぎると副作用のリスクが上がり、逆に低い場合は効果が制限される可能性があります。
ハイドロキノンを安全かつ効果的に利用するためには、クリニックで処方される製品を選ぶことをおすすめします。
かつて、日本ではハイドロキノンは医師の監督下でのみ利用されていました。
その理由は、より強力なメラニン抑制作用を持つ「ハイドロキノンモノペンジルエーテル」と呼ばれる成分が存在し、これがアレルギー反応を引き起こしやすく、色素細胞に対して強力な効果を示すため、白斑が元に戻らなくなる可能性があるからです。
そのため、ハイドロキノンモノペンジルエーテルは現在でも化粧品には含まれていません。
ハイドロキノン自体も似た構造を持っていたため、市販の化粧品には長らく含まれていませんでした。
しかし、2001年に規制が緩和され、ハイドロキノンはメーカーの責任で一般の化粧品に配合できるようになりました。
マイケルジャクソン氏もハイドロキノンモノペンジルエーテルを使用していたことで知られています。
ハイドロキノンクリームの使い方
1日2回、朝と夜に行いますが、副作用が強ければ1日1回、または2日に1回に減らし、自身の肌の状態を見守ります。
また、必要に応じて保湿用の美容液を使用し、内服の日焼け止めも考慮しましょう。
なお、ハイドロキノンはデリケートゾーンの黒ずみにも利用できますが、粘膜には刺激が強いため、クリニックの指導に従い、使用範囲に気をつけましょう。
- 洗顔後、顔全体に化粧水を使って肌を整えます。
- トレチノインを使う場合、患部にのみトレチノインを塗ります。
- トレチノインが浸透したら、ハイドロキノンを患部よりも広い範囲に塗布します。
- 最後に、紫外線から肌を守るために日焼け止めを塗ります。
ハイドロキノンの治療内容・経過期間
ハイドロキノンを使ったシミ治療の期間は、治療の内容やシミの状態により異なります。
肝斑の場合、通常治療期間が長く、休薬期間を設けることもあります。
ハイドロキノンとトレチノインを併用する場合、一般的なシミ治療の進行は以下の通りです。
1ヶ月から1.5ヶ月: トレチノインとハイドロキノンの併用
2ヶ月から3ヶ月: ハイドロキノンの単独使用
3ヶ月から4.5ヶ月: 休薬期間
治療が長引く場合、休薬期間の後に治療を再開します。
また、シミの改善後、再発を防ぐためにハイドロキノンの塗布を続けることが一般的です。
ハイドロキノンでシミ治療ができる!
ハイドロキノンはシミ治療において頻繁に活躍している成分です。
当然、当院でもハイドロキノンを用いた治療メニューをご用意しています。
処方できるかどうかは診察次第ではありますが、美容クリニックにはハイドロキノンの他にもさまざまな治療メニューがあります。
シミにお悩みであればぜひ一度、お気軽にご相談ください。ご来院の予約はもちろん、電話やメールでのお問い合わせも大歓迎です。