皮下脂肪について|女性に特につきやすい理由と対策

皮下脂肪は、体型に大きな影響を与える脂肪で、特に女性に多く見られます。
このページでは、皮下脂肪がつきやすい原因や健康リスク、効果的な減らし方について詳しく解説します。
さらに、皮下脂肪と関係するセルライトができるメカニズムや皮下脂肪をセルフチェックする方法、そしてメディカルダイエットの有効性についても取り上げます。
理想の体型を目指すための情報が満載となっているので、体型の変化が気になる人はぜひご参考ください。
目次
皮下脂肪とは
皮下脂肪とは、体型の変化が表面に現れやすい脂肪です。
「贅肉」や「つまめる脂肪」と表現されることもあり、皮膚のすぐ下につくため、気になる部位は指でつまめるほどプヨプヨしています。
下腹部、おしり、太もも裏、内ももといった下半身を中心に、腰周りや背中、二の腕、頬、アゴ、背中など、身体全体につきやすいです。
また、皮下脂肪が蓄積されてくると肉付きがよく見えてしまうので、からだつきの変化が大きいです。
- 皮下脂肪による体型の変化
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・下半身太り
・ウエストや腰周りの余った贅肉
・ブラジャーや脇のはみ肉
・二の腕のたるみ
・二重あご
・口まわりのもたつき
本来、皮下脂肪は体温をキープしたり、外の衝撃から臓器を守る役割があり、身体のエネルギー源にもなるので一定量は誰にとっても必要です。
しかし、一度ついたら落としにくいという厄介な一面を持っており、ダイエットでもそう簡単に落ちてはくれません。
健康リスクについては内臓脂肪よりも低いとはされていますが、過剰に蓄えられてしまうと皮下脂肪型肥満となり、健康に悪影響を及ぼすおそれがあります。
皮下脂肪がつきやすい人の特徴
皮下脂肪がつきやすい人には、以下のような特徴があります。
- 皮下脂肪がつきやすい人の特徴
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年齢:問わず
性別:女性
体型:洋ナシ型(下半身太り)
食生活:高カロリーな食事(揚げ物や甘いもの)
皮下脂肪は女性や子どもにつきやすい傾向があり、特に下半身に蓄えられやすく、そのシルエットから洋ナシ型肥満(皮下脂肪型肥満)とも呼ばれています。
皮下脂肪はなぜ女性につきやすいのか?
女性に皮下脂肪が蓄積しやすいのは、女性ホルモンであるエストロゲンの影響が大きいとされています。
エストロゲンとは女性らしさに関わるホルモンとなり、男性よりも女性の方が身体に丸みを帯びているのもこのホルモンによるものです。
- エストロゲンの皮下脂肪への影響
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・脂肪の分布に影響する(下半身につきやすい)
・中性脂肪が皮下脂肪となりやすい
・妊娠や出産、授乳に備えて皮下脂肪を蓄積させる
皮下脂肪の蓄積は女性として仕方のないことでもあり、生理的に必要なエネルギーの備蓄としても重要な役割を果たしています。
さらに、女性は更年期に差し掛かると、エストロゲンの分泌ががくっと減少します。
これにより、男性によくみられる内臓脂肪もつきやすくなるので、女性はライフステージに応じた体重管理が重要です。
皮下脂肪とセルライトの関係
セルライトは、大きくなりすぎた皮下脂肪と老廃物とが混ざって固まり、肌表面に凸凹がみられる状態です。
凸凹がオレンジの皮のように見えることから、「オレンジピールスキン」とも呼ばれています。
また、セルライトは4つのタイプに分けられています。
・脂肪型セルライト
・浮腫型セルライト
・繊維化型セルライト
・筋肉質型セルライト
皮下脂肪の蓄積にくわえ、むくみや筋肉の硬化、コラーゲン繊維が絡みつくことで形成されます。
通常のダイエットでは解消が難しいタイプもあり、美容医療による特別なアプローチが必要になることもあります。
皮下脂肪が増える原因
皮下脂肪が増える原因としてイメージされるのが、食生活です。
確かに摂取カロリーがオーバーした食事が続くと、使われずに余った中性脂肪が皮下脂肪として蓄積される原因になります。
しかし、原因はそれだけではなく、以下のようなことも皮下脂肪が増える原因になってきます。
- 皮下脂肪が増える原因
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・食生活
・飲酒
・身体活動(運動不足)
・睡眠
・喫煙と禁煙
・ストレス
・職業要因(労働時間の長さなど)
・加齢に伴う性ホルモンの変化
・胎児期や出生後の栄養状態
また最近の研究から、肥満は遺伝が関係していることもわかりつつあり、遺伝子と上記ライフスタイルの相互作用が皮下脂肪を増やす原因となる可能性があります。
皮下脂肪の健康リスクについて
皮下脂肪の健康リスクは、内臓脂肪にくらべ低いとされています。
これは、脂肪細胞から分泌されて代謝異常を引き起こす「アディポカイン(アディポサイトカイン)」が内臓脂肪よりも少ないためです。
しかし、まったく影響がないわけではありません。
皮下脂肪が蓄えられすぎてしまうと、以下のような健康リスクが生じる可能性があります。
・変形性腰椎症
・変形性関節症
・睡眠時無呼吸症候群
・月経異常(生理不順、無月経など)
・不妊
など
他にも、脂肪組織からのエストロゲン(女性ホルモン)の分泌が増加することで、閉経後の子宮内膜がんや乳がんのリスクが高まることもわかっています。
皮下脂肪をセルフチェックする方法
個人で皮下脂肪の厚みを測定するには、市販されている以下の器具を用いることで測定できます。
■インピーダンス
電気を通しにくい脂肪の電気抵抗値(インピーダンス)から皮下脂肪の厚みを測定する方法。
■キャリパー
上腕背部(二の腕)と肩甲骨の下の皮下脂肪の厚みを測り、体脂肪率を計算する方法。
ただし、これらの方法は測定者によって誤差が生じることや、身体の水分量に左右されることもあります。
あくまでもダイエットをはじめるきっかけにしたり、ダイエットによる皮下脂肪の変化を見える化するために利用してください。
皮下脂肪を減らす方法
皮下脂肪は落ちにくいため、食事と運動の両方からアプローチすることが重要です。
特に、以下のポイントを意識してみてください。
■食事管理
カロリーコントロールと栄養バランスを保つことが基本です。糖質や脂質を極端に抜いてしまうと逆効果になるので食べることもダイエットと覚えておきましょう。
■運動
有酸素運動と筋トレを組み合わせて行います。これによりカロリー消費と基礎代謝UPにより痩せやすい身体づくりが可能になります。
短期的に痩せたいと考える人もいますが、皮下脂肪の変化が見た目に現れるまでには最低でも3ヵ月〜6ヵ月はかかります。
そのため、長期的にみて続けられる方法で、毎日コツコツと努力を積み重ねることが大切です。
皮下脂肪にはメディカルダイエットも1つ
皮下脂肪はなかなか落ちず、女性は生理周期がダイエットに影響するので、すぐに結果が出ないことで誤ったダイエットを行ったり、失敗の原因にもなってきます。
そんな時におすすめなのが、メディカルダイエットという選択肢です。
メディカルダイエットは、医師の施術により頑固な皮下脂肪にアプローチして、気になる部位のサイズダウンが可能です。
脂肪吸引をイメージされるかもしれませんが、現在では以下のような切らずに脂肪細胞の数を減らす方法が主流となっています。
■脂肪溶解注射
脂肪溶解注射は、余分な脂肪を溶かして排泄する治療です。頬や輪郭、口まわりのもたつき、二重アゴなど、顔まわりについた皮下脂肪におすすめの方法になります。
■脂肪冷却
脂肪冷却は、脂肪細胞を冷却し、その数を減らして体外に排泄させる方法です。下半身や腰回り、背中、二の腕など面積の広い部位に適しています。
これらの施術は一般的なダイエットではできない「部分痩せ」が可能なので、自己管理と平行して施術を受けることでボディラインの変化をより実感しやすくなります。
メディカルダイエットとは?一般的なダイエットとの違いやメリット・デメリットをご紹介
皮下脂肪についてのまとめ
皮下脂肪について、最後にこれまでのポイントをおさらいしておきましょう。
- 皮下脂肪についてのまとめ
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・皮下脂肪は体型に影響しやすい脂肪
・性ホルモンの影響で女性につきやすい傾向にある
・一度ついてしまうとダイエットしても落ちにくい
・皮下脂肪が落ち始めるのはダイエットから最低3~6ヵ月必要
・セルライト化することもある
・健康リスクは内臓脂肪よりも低い
・皮下脂肪を減らす基本は食事と運動
皮下脂肪を減らすためには短い期間で劇的な変化を求めず、長期的な視点で食事の見直しと運動を継続することが大切です。
また、自己管理が苦手であったり、できる限り効率的に落としたい場合には、メディカルダイエットの併用も検討しつつ理想の体型を目指していきましょう。
皮下脂肪に関するよくある質問
皮下脂肪と内臓脂肪の違いは何ですか?
皮下脂肪は皮膚のすぐ下に蓄積され、下半身を中心に、背中や顔まわりといった普段動かす機会が少ない部位につきやすいです。
一方の内臓脂肪は、腹筋の奥の内臓まわりに蓄積され、ぽっこりと出たお腹が特徴的です。
どちらも健康リスクがありますが、特に内臓脂肪は、生活習慣病から心臓や血管の病気に発展する可能性があるので注意が必要です。
皮下脂肪を減らす方法はありますか?
皮下脂肪を減らすには、以下のいずれかの方法を行う必要があります。
・自己管理(食事と運動)
・メディカルダイエット(脂肪溶解注射・脂肪冷却)
皮下脂肪だからといって特別な方法はなく、自己管理で行う場合には食事と運動が基本です。
しかし、すぐに体型の変化は期待できないので、特に気になる部位はメディカルダイエットを平行して受けることもおすすめです。
セルライトとは何ですか?
セルライトとは、皮下脂肪と老廃物が混ざって皮膚表面に凹凸がみられる状態です。
その見た目から「オレンジピールスキン」とも呼ばれ、もともと皮下脂肪の多い太ももやおしりにできやすいと考えられています。
皮下脂肪がつく原因を教えてください。
皮下脂肪がつく原因は、主に食事(過栄養)です。
カロリーオーバーが続くことで、エネルギーとして使われずに余った栄養が脂肪細胞に蓄積されて肥大化することで、少しずつ体型を変化させていきます。
また、食事の他にも、飲酒、運動不足、睡眠、喫煙と禁煙、ストレス、遺伝など、さまざまな要因が相互作用することで皮下脂肪がつきやすくなります。
皮下脂肪はメディカルダイエットで処方される薬でも効果はありますか?
メディカルダイエットで処方される薬は、内臓脂肪を減らすのに効果的となっています。
皮下脂肪は消費されにくい性質があるので、脂肪溶解注射や脂肪冷却といった皮下脂肪に直接アプローチできる施術を受けるのがおすすめです。