デュアック配合ゲルとは?「すごい」といわれる理由や効果・副作用を解説

「デュアック配合ゲルは何がすごいの?」「どのくらいでニキビに効果が出るの?」と気になっている方もいるのではないでしょうか。
デュアック配合ゲルは、異なる働きをもつ2つの有効成分を配合したニキビ治療薬です。抗菌作用に加えて毛穴の詰まりにも働きかける一方、皮むけや赤みなどの副作用が現れることもあります。
この記事では、デュアック配合ゲルが「すごい」といわれている理由をはじめ、ニキビへの効果や作用、効果が出るまでの期間、正しい使い方、副作用や注意点まで詳しく解説します。
目次
デュアック配合ゲルとは?
デュアック配合ゲルは、ニキビ(尋常性ざ瘡)の治療に使用される塗り薬です。異なる働きをもつ、2つの有効成分が配合されています。
- クリンダマイシンリン酸エステル
- ニキビの原因菌の増殖を抑える抗菌成分
- 過酸化ベンゾイル(BPO)
- 毛穴の詰まりに働きかける成分
これらの成分を組み合わせることで、複数の方向からニキビにアプローチできるのがデュアック配合ゲルの特徴です。
デュアック配合ゲルが「すごい」といわれる理由

デュアック配合ゲルが「すごい」といわれる理由としては、主に以下の4つが挙げられます。
- 抗菌薬と面皰治療薬の2つの役割を1つの薬で担える
- クリンダマイシン単剤より耐性菌が生じにくい
- 臨床試験で赤ニキビが約90%減少したとの報告がある
- 1日1回の塗布でよく、治療を続けやすい
参考:
PubMed「Clindamycin phosphate 1.2%/benzoyl peroxide 3% gel for acne vulgaris」
KEGG MEDICUS「デュアック配合ゲル」
日本皮膚科学会「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」
抗菌薬と面皰治療薬の2つの役割を1つの薬で担える
デュアック配合ゲルは、抗菌薬(抗生物質)のダラシンTと、面皰治療薬(毛穴詰まりを改善する薬)のベピオの有効成分を1剤に配合した薬です。
従来はそれぞれの薬を塗り分ける必要がありましたが、デュアック配合ゲルであれば1剤でまかなえるため、塗布の手間を減らしながら、抗菌と毛穴の詰まりの両方に働きかけられます。
ダラシンT単剤より耐性菌が出現しにくい
ダラシンTの有効成分であるクリンダマイシンリン酸エステルは、単剤で使用を続けると、薬が効きにくい耐性菌が出現するおそれがあります。
デュアック配合ゲルは過酸化ベンゾイル(BPO)を組み合わせることで、単剤であるダラシンTよりも耐性菌の出現を抑えながら治療できる点が特徴です。
ダラシンTについて詳しく知りたい方はダラシンTゲル・ローションとは?ニキビへの効果や正しい使い方・副作用を解説も併せてご確認ください。
臨床試験で赤ニキビが約90%減少したとの報告がある
臨床試験では、デュアック配合ゲルを12週間使用した結果、赤ニキビなどの炎症性皮疹が約90%減少したとの報告があります。
こうした臨床試験によって有効性が示されており、日本皮膚科学会の「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」でも、中等症から重症の炎症性皮疹に対して推奨度Aで強く推奨されています。
1日1回の塗布でよく、治療を続けやすい
ダラシンTなどのクリンダマイシンリン酸エステル単剤は1日2回使用するのが基本ですが、デュアック配合ゲルは1日1回の塗布で使用できます。
国内臨床試験では、デュアック配合ゲルを1日1回使用した場合でも、クリンダマイシン単剤を1日2回使用した場合を上回る効果が示されました。抗菌薬と面皰治療薬を別々に塗る必要もないため、塗布回数や手間を減らしながら治療を続けられる点も特徴です。
デュアック配合ゲルの効果|ニキビに作用する仕組み

ニキビは、皮脂の過剰な分泌や毛穴の詰まり、アクネ菌の増殖など、複数の要因が関係して発生する皮膚疾患です。
デュアック配合ゲルには、アクネ菌の増殖を抑える効果と、毛穴の詰まりを改善する効果があります。
この章では、有効成分であるクリンダマイシンリン酸エステルと過酸化ベンゾイル(BPO)が、それぞれニキビに対してどのように作用するのか、詳しく見ていきましょう。
クリンダマイシンリン酸エステル|細菌の増殖を抑える
クリンダマイシンリン酸エステルは、皮膚に塗布された後、抗生物質であるクリンダマイシンに変化して抗菌作用を示します。
クリンダマイシンは、細菌が増殖するために必要なタンパク質が作られるのを妨げる成分です。アクネ菌などの増殖を抑えることで、ニキビの炎症を改善する効果が期待できます。
なお、クリンダマイシンリン酸エステルを有効成分とする単剤には、ダラシンTゲル・ローションがあります。
単剤での効果や、より詳しい作用メカニズムについて知りたい方はダラシンTゲル・ローションとはの記事をご確認ください。
過酸化ベンゾイル(BPO)|毛穴の詰まりを改善する
過酸化ベンゾイル(BPO)は、古い角質をはがれやすくすることで、ニキビの原因となる毛穴の詰まりを改善する効果が期待できる成分です。
また、分解される過程で生じる活性酸素によって、アクネ菌などを殺菌する作用もあります。このように、毛穴の詰まりを改善しながら、ニキビの原因菌にも働きかけるのが過酸化ベンゾイル(BPO)の特徴です。
過酸化ベンゾイル(BPO)についてさらに詳しく知りたい方は、過酸化ベンゾイル(BPO)の単剤であるベピオゲル・ローションの記事も併せてご確認ください。
デュアック配合ゲルはどんなニキビに使われる?

デュアック配合ゲルは、主に赤ニキビや黄ニキビなどの炎症性ニキビ(炎症性皮疹)に使用されます。毛穴の詰まりに働きかける過酸化ベンゾイル(BPO)も配合されているため、白ニキビや黒ニキビへの効果も期待できます。
ただし、抗生物質のクリンダマイシンリン酸エステルを含むため、炎症性ニキビが治まった後も使い続けることは推奨されていません。
炎症が落ち着いた後は、ベピオやディフェリンなど抗菌薬を含まない薬へ切り替え、白ニキビや黒ニキビができにくい状態を維持する治療へ移行するのが一般的です。
デュアック配合ゲルの効果が出るまでの期間
デュアック配合ゲルの効果を実感するまでの期間は、一般的に2週間〜3カ月程度が目安です。
国内臨床試験では、1日1回使用した場合、炎症性ニキビの減少率の中央値は2週間後で62.5%、12週間後で88.6%でした。このことからも、使用開始から2週間程度で変化がみられ、その後も継続してニキビが減少していくことがわかります。
ただし、効果の現れ方には個人差があるため、すぐに改善がみられなくても使用量や回数を自己判断で増やすのは避け、医師から指示された方法で使用しましょう。
デュアック配合ゲルの正しい使い方・塗り方
デュアック配合ゲルは、塗る回数や量、範囲を守って使用することが大切です。
この章では、基本的な塗り方や使用量の目安などを確認していきましょう。
塗るタイミング・使用頻度
デュアック配合ゲルは、1日1回、洗顔後の清潔な肌に塗るのが基本です。朝・夜の指定はありませんが、使用中は日光にできるだけ当たらないよう注意が必要なため、心配な場合は夜の洗顔後に塗るとよいでしょう。
なお、主治医から塗る時間帯を指定されている場合は、そちらを優先してください。
塗る範囲・塗る量

デュアック配合ゲルは、部分的に塗るのではなく、ニキビができやすい範囲に薄く塗り広げて使用する薬です。ただし、目や口の周囲などの粘膜や傷のある部分には塗らないよう注意しましょう。
なお、塗る量の目安は、以下のとおりです。
| 塗る範囲 | 使用量の目安 | 指に出す長さの目安 |
|---|---|---|
| おでこ | 約0.075g(1/4FTU) | 人差し指の先端から第一関節までの1/4 |
| 顔半分 | 約0.3g(1FTU) | 人差し指の先端から第一関節まで |
| 顔全体 | 約0.6g(2FTU) | 人差し指の先端から第二関節まで |
1FTU(フィンガーチップユニット)とは、チューブから人差し指の先端〜第一関節まで絞り出した量のことで、デュアック配合ゲルでは約0.3gに相当します。
一度に多く塗っても、より高い効果が得られるわけではなく、かえって皮膚への刺激が強くなるおそれがあるため、自己判断で使用量を増やさないようにしましょう。
デュアック配合ゲルを使う際のスキンケア手順

デュアック配合ゲルの使用中は、乾燥や刺激を防ぐためにも保湿を意識することが大切です。一般的には、以下の流れでスキンケアを行います。
- 洗顔する
- タオルで水分をやさしく拭き取る
- 化粧水や乳液などで保湿する
- 肌が乾いたらデュアック配合ゲルを塗る
- 塗り終わったら手を洗う
ただし、使用する化粧水や保湿剤などによっては、デュアック配合ゲルを塗る順番が異なる場合があります。処方時に医師や薬剤師から指示を受けている場合は、その方法に従ってください。
デュアック配合ゲルの副作用
デュアック配合ゲルの使用中は、皮膚症状をはじめとする副作用が現れることがあります。安心して治療を続けるためにも、どのような副作用があるのか、症状が現れたときの対処法と併せて確認しておきましょう。
主な副作用
デュアック配合ゲルでは、乾燥や赤み、皮むけなど、塗った部分を中心に副作用が現れることがあります。国内臨床試験では、1日1回使用した204例のうち49例(24.0%)に副作用が認められました。
主な副作用は、以下のとおりです。
- 乾燥
- 接触皮膚炎
- かゆみ
- 顔の痛み
- 赤み
- 灼熱感
- 皮むけ
- 剥脱性皮膚炎
特に使用開始から1カ月程度は、過酸化ベンゾイル(BPO)のピーリング作用により、乾燥や赤み、皮むけ、ヒリヒリ感などの皮膚症状が現れやすい傾向があります。症状が強く現れたり、なかなか治まらなかったりする場合は、無理に使い続けず医師や薬剤師に相談しましょう。
重大な副作用
ごく稀ですが、デュアック配合ゲルでは重大な副作用として大腸炎が報告されています。
長引く下痢や激しい下痢、血便、強い腹痛などが現れた場合は、大腸炎の可能性があるため、すぐに使用を中止して医療機関を受診しましょう。
また、以下のような重度の皮膚症状や全身性の過敏反応が現れた場合も注意が必要です。
- 顔全体や首まで広がる赤み・腫れ
- 水ぶくれや皮膚がただれる症状
- 強い皮膚刺激
- 全身に及ぶアレルギー症状
これらの症状が現れた場合は使用を中止し、速やかに医師へ連絡してください。
副作用が出たときの対処法
乾燥などの軽い症状であれば、保湿を取り入れることで刺激を和らげられる場合があります。
ただし、症状がなかなか治まらない場合や強く現れた場合は、無理に使い続けず医師や薬剤師に相談してください。
特に、前述した重大な副作用が疑われる症状がみられた場合は、使用を中止して速やかに医療機関を受診しましょう。
デュアック配合ゲルを使用できない人・注意が必要な人

デュアック配合ゲルは、体質や既往歴によって使用できない場合があります。また、年齢や妊娠・授乳の状況、使用している薬によって注意が必要なケースもあるため、該当していないか使用前に確認しておきましょう。
デュアック配合ゲルを使用できない人
以下の成分やリンコマイシン系抗生物質で、過去に過敏症を起こしたことがある方はデュアック配合ゲルを使用できません。
これまでに薬を使用して発疹やかゆみなどのアレルギー症状が現れたことがある場合は、処方を受ける際に必ず医師へ伝えましょう。
使用に注意が必要な人
以下に該当する方は、デュアック配合ゲルを使用する前に医師へ伝えておく必要があります。
- 抗生物質の使用によって下痢や大腸炎を起こしたことがある方
- 重い大腸炎が現れるおそれがあるため、注意が必要です。
- アトピー性体質の方
- 重い過敏反応が現れるおそれがあるため、皮膚の状態を確認しながら使用する必要があります。
- 妊娠中または妊娠している可能性がある方
- 治療上のメリットがリスクを上回ると判断された場合に使用されます。
- 授乳中の方
- 治療の必要性などを考慮し、授乳を続けるか中止するかが検討されます。
- ほかの薬を使用している方
- エリスロマイシン含有製剤や末梢性筋弛緩剤、外用スルホンアミド製剤など、併用に注意が必要な薬があります。
上記に該当する方は、デュアック配合ゲルを使用する前に必ず医師に相談し、指示に従って使用しましょう。
デュアック配合ゲルを使用するときの注意点

デュアック配合ゲルを使用する際は、使用期間や紫外線、保管方法などに注意が必要です。正しく使用するために、以下のポイントを確認しておきましょう。
12週間を超えて漫然と使用しない
デュアック配合ゲルには抗生物質が含まれており、長期間使用すると耐性菌(薬が効きにくい菌)が生じるおそれがあります。
そのため、12週間使用しても効果がみられない場合は、使用を中止するのが基本です。また、炎症性ニキビがなくなった場合は、12週間以内であっても抗生物質を含まないほかの治療薬への切り替えを検討しましょう。
髪や衣類などへの脱色に注意する
デュアック配合ゲルに含まれる過酸化ベンゾイル(BPO)には漂白作用があり、髪や衣類、タオル、寝具などを脱色することがあります。
塗布後は手をよく洗い、薬が乾くまでは髪や衣類などに触れないよう注意しましょう。
紫外線を避ける
デュアック配合ゲルの使用中は、乾燥や皮むけなどによって肌のバリア機能が低下することがあります。バリア機能が低下した肌は紫外線の影響を受けやすいため、日光にはできるだけ当たらないよう注意が必要です。
外出時は、日傘や帽子などを活用して紫外線を避けるよう意識しましょう。
適切な方法で保管する
デュアック配合ゲルは、開封前・開封後にかかわらず、冷蔵庫で2〜8℃を保って保管します。凍結させないよう注意し、開封後はできるだけ早めに使い切りましょう。
薬局から持ち帰るときや旅行などで持ち運ぶ場合は、高温になる場所を避け、到着後は速やかに冷蔵庫へ入れてください。
デュアック配合ゲル以外のニキビ治療
デュアック配合ゲルを使用しても十分な改善がみられない場合や、副作用によって継続が難しい場合、炎症が落ち着いた場合などには、ほかの治療方法が検討されます。
この章では、デュアック配合ゲル以外のニキビ治療について詳しく解説します。
ニキビ治療について詳しく知りたい方はニキビ治療とはも併せてご確認ください。
保険診療
保険診療では、ニキビの種類や重症度に応じて以下のような薬が処方されます。
| 種類 | 主な治療薬 |
|---|---|
| 外用薬 | ベピオ、ディフェリン、エピデュオ、ダラシンT、アクアチム、ゼビアックスなど |
| 内服薬 | ドキシサイクリンやミノサイクリンなどの抗菌薬、漢方薬など |
炎症が強い時期には内服抗菌薬、落ち着いた後にはベピオやディフェリンなど、状態に合わせて薬を使い分けるのがニキビ治療の基本です。
ニキビ治療薬について詳しく知りたい方はニキビの薬にはどんな種類がある?市販薬・処方薬の違いや使い分けを解説も併せてご覧ください。
自由診療
保険診療を続けても改善が難しい場合は、自由診療のニキビ治療を検討するのも選択肢の一つです。
自由診療では、肌の状態やニキビの程度に応じて、以下のような治療が行われます。
- ケミカルピーリング
- IPL(光治療)
- レーザー治療
- ニードル治療
- イソトレチノインなどの内服治療
治療方法によって特徴や適している症状が異なるため、ニキビの状態に合わせて選択することが大切です。
当院のニキビ治療
当院では、ニキビの状態やお悩みに合わせて、複数の自由診療をご用意しています。
- ケミカルピーリング
- ハイドラフェイシャル
- IPL(光治療)
- ポテンツァニキビショット
保険診療だけでは改善が難しいと感じている方や、繰り返すニキビにお悩みの方は、まずはお気軽に当院へご相談ください。
まとめ
これまでの内容を振り返り、デュアック配合ゲルについて大切なポイントを以下にまとめました。
- デュアック配合ゲルは、クリンダマイシンと過酸化ベンゾイル(BPO)を配合したニキビ治療薬
- 主に赤ニキビや黄ニキビなどの炎症性ニキビに使用される
- 抗菌作用と毛穴の詰まりを改善する作用の両方をもつ
- 1日1回、洗顔後に適量を塗布する
- 乾燥や赤み、皮むけなどの副作用が現れることがある
- 抗生物質を含むため、必要以上に長期間使用しないことが大切
- 使用する際は紫外線や髪・衣類の脱色、保管方法にも注意する
デュアック配合ゲルは、用法・用量や使用期間を守り、正しく使用することが大切です。改善がみられない場合や副作用が気になる場合は、自己判断で使い続けず、医師に相談しながら治療方法を見直しましょう。
よくある質問
デュアック配合ゲルは市販されていますか?
デュアック配合ゲルは処方箋医薬品のため、ドラッグストアなどでは市販されていません。使用するには医療機関を受診し、医師の診察を受けたうえで処方してもらう必要があります。
デュアック配合ゲルで皮むけしたら使用を中止したほうがよいですか?
軽度の皮むけであれば、必ずしもすぐに使用を中止する必要はありません。デュアック配合ゲルに含まれる過酸化ベンゾイル(BPO)には古い角質をはがれやすくする作用があり、その作用に伴って皮むけがみられることがあります。
保湿を取り入れながら様子をみて、症状が強い場合やなかなか治まらない場合は、自己判断で使い続けず医師や薬剤師に相談しましょう。
デュアック配合ゲルを塗り忘れた場合はどうすればよいですか?
塗り忘れに気づいた場合は、基本的に気づいた時点で1回分を塗布します。ただし、次の使用時間が近い場合は忘れた分を飛ばし、次回から通常どおり使用しましょう。
一度に2回分を塗ると皮膚への刺激が強くなるおそれがあるため、まとめて塗らないようにしてください。







