ベピオとは?ゲル・ローション・ウォッシュゲルの違いと効果・使い方を解説

ベピオは、毛穴の詰まりを改善するとともに、ニキビの原因菌にも働きかける医療用医薬品です。ゲル・ローション・ウォッシュゲルの3種類があり、肌質や年齢、使用部位に応じて使い分けられます。
この記事ではベピオの効果やゲル・ローション・ウォッシュゲルの違い、副作用、正しい使い方、使用時の注意点について詳しく解説します。
ベピオをこれから使い始める方はもちろん、すでに使用中で不安や疑問がある方、改善が思うように感じられない方もぜひ参考にしてください。
目次
ベピオとは?
ベピオは、尋常性ざ瘡(ニキビ)の治療に用いられる医療用医薬品です。有効成分である過酸化ベンゾイルが、毛穴の詰まりを改善するとともに、ニキビの原因菌にも働きかけます。
分類としては、尋常性ざ瘡治療薬の中でもディフェリンやエピデュオと同じ「面皰治療薬(めんぽうちりょうやく)」に該当します。
ニキビ治療薬の分類や種類について詳しく知りたい方はニキビの薬にはどんな種類がある?市販薬・処方薬の違いや使い分けを解説も併せてご確認ください。
有効成分と効能

ベピオの有効成分である過酸化ベンゾイル(BPO)は、以下の2つの効果をあわせ持つのが特徴です。
- 角層剥離作用
- 毛穴にたまった古い角質を取り除いて毛穴の詰まりを改善する効果
- 抗菌作用
- 活性酸素を発生させ、アクネ菌などを殺菌し増殖を抑える効果
抗菌作用に関しては、抗菌薬とは異なる仕組みで作用するため、薬剤耐性菌が生じにくいとされています。そのため、炎症を伴うニキビだけでなく、毛穴の詰まりが原因となる初期段階のニキビにも使用されています。
ベピオゲル・ローション・ウォッシュゲルの違い

ベピオには、ゲル・ローション・ウォッシュゲルの3種があります。いずれも有効成分は過酸化ベンゾイルですが、使用方法やテクスチャなどが異なるため、肌質や使用部位に合わせて選択されます。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| ベピオゲル2.5% | ・患部に塗布して使用するタイプ ・油分を含まずさっぱりとした質感 |
| ベピオローション2.5% | ・患部に塗布して使用するタイプ ・保湿成分を含んでおりしっとりとした質感 |
| ベピオウォッシュゲル5% | ・患部に塗布し、洗い流して使用するタイプ ・塗り広げやすい質感で洗い流した状態で衣服を着るため身体にも使いやすい |
なお、ベピオゲル・ベピオローションは12歳以上が対象ですが、ベピオウォッシュゲルは9歳から使用可能です。
どの製剤も自己判断で使い分けるのではなく、ライフスタイルなどを踏まえて医師が選択します。処方された製剤ごとの使用方法を守って治療を続けることが大切です。
ベピオはどんなニキビに効果が期待できる?

ベピオは、白ニキビから赤ニキビまで幅広いニキビに使用される治療薬です。毛穴の詰まりを改善する作用と、ニキビの原因菌に働きかける作用をあわせ持つため、初期段階のニキビだけでなく、炎症を伴うニキビにも使用されます。
一方で、すべてのニキビにベピオだけで対応できるわけではありません。ニキビの種類や重症度によっては、ほかの治療薬を併用したり、治療法を変更したりする場合もあります。
ベピオが向いているニキビ
ベピオが効果を発揮しやすいのは、白ニキビ・黒ニキビといった初期段階のニキビや、軽度から中等度の赤ニキビです。
毛穴に詰まった古い角質を取り除いて新しいニキビができにくい状態へ導くとともに、アクネ菌などの増殖を抑えるため、毛穴の詰まりと炎症の両方にアプローチできます。耐性菌の報告もないことから、炎症が治まった後も、維持治療として継続して使用されることがあります。
ベピオだけでは改善が期待しにくいニキビ
膿がたまった黄ニキビや、しこりのように硬くなった重症ニキビでは、ベピオ単独では十分な改善が期待しにくい場合があります。
このようなケースでは、抗菌外用薬・内服薬を組み合わせたり、症状に応じて別の治療法を検討したりすることがあります。ベピオを一定期間使用しても改善がみられない場合は、医師に相談しながら治療方針を見直すことが大切です。
ベピオの効果が出るまでの目安期間
ベピオの効果を実感できるまでの目安は、2週間〜3カ月程度です。使い始めは乾燥や皮むけなどの刺激症状が先に現れやすく、「効いていない」「かえって悪化した」と感じる方も少なくありません。
しかし、ベピオは使用後すぐに変化が現れる薬ではないため、短期間で判断せず、医師の指示に沿って使用を続けることが大切です。
ベピオの正しい使い方

ベピオは、製剤のタイプによって使用方法が異なる薬です。ゲル・ローションは塗ったままにする一方、ウォッシュゲルは一定時間おいて洗い流します。
効果を十分に引き出し、副作用を抑えるためにも、処方された製剤ごとの使い方を守ることが大切です。
塗るタイミング・使用頻度
ベピオはどのタイプの製剤であっても、1日1回使用するのが基本です。
添付文書(薬の説明書)上では朝夜どちらのタイミングでも問題ありませんが、紫外線の影響を考慮し、夜の使用を推奨するクリニックが多いです。
なお、使用開始直後は乾燥や赤みなどの刺激症状が出やすいことから、隔日での使用を指示されるケースもあります。
使用するタイミングや頻度は、ニキビの状態や肌質、処方する医師の方針によって異なるため、自己判断で変更せず、医師や薬剤師の指示に従って使用しましょう。
製剤別の使い方
ベピオは製剤のタイプによって使用方法が異なります。それぞれの特徴を確認し、正しい手順で使用しましょう。
ベピオゲル・ベピオローション
ベピオゲル・ベピオローションは、洗顔後の清潔な肌に塗布し、そのまま洗い流さずに使用するタイプの製剤です。
- 基本の順番
- 洗顔→保湿→ベピオゲルorベピオローション→併用薬(あれば)
洗顔後は肌の水分をやさしく拭き取り、保湿剤を塗布してからベピオを使用します。
塗布後は、薬が髪や衣類などに付着しないよう注意し、手に付いた薬は石けんでよく洗い流しましょう。
ベピオウォッシュゲル
ベピオウォッシュゲルは、患部へ塗布した後、5~10分置いてから洗い流すタイプの製剤です。洗顔後に水分を拭き取った肌へ塗布し、決められた時間が経過したら、水またはぬるま湯で十分に洗い流します。
- 基本の順番
- 洗顔→ベピオウォッシュゲル→5~10分放置後洗い流す→保湿→併用薬
ウォッシュゲルの場合もゲル・ローションと同様に、薬が髪や眉毛、衣類などに付着しないよう注意が必要です。
塗る量・塗る範囲

ベピオの使用量の目安は製剤によって異なります。
- ベピオゲル2.5%
- 顔全体で約1FTU(成人の人差し指の先から第一関節までチューブから絞り出した量)が目安
- ベピオローション2.5%
- 顔全体で直径約2cm(1円玉大)、厚さ約2mmが目安
- ベピオウォッシュゲル5%
- 顔全体で直径約2cm(1円玉大)、厚さ約2.5mmが目安
塗る範囲は炎症があるニキビだけでなく、ニキビができやすい範囲へ塗布するよう指導されることが一般的です。
ただし、目の周りや口の周り、鼻の中などの粘膜、傷や湿疹がある部位には使用しないようにしましょう。
なお、使用開始初期は刺激を抑えるため、使い始めは少量や一部の部位から始めるよう指導されることもあります。
使用量や塗る範囲は自己判断で調整せず、医師や薬剤師の指示に従ってください。
ベピオの副作用と対処法
ベピオは、使用開始初期に乾燥や皮むけなどの刺激症状が現れやすい薬です。しかし、多くは一時的な反応であり、適切に対処しながら使用を続けることで徐々に落ち着いていきます。
一方で、強いかゆみや腫れなど通常とは異なる症状が現れた場合は、自己判断で使用を続けず、医師や薬剤師に相談することが大切です。
起こりやすい副作用の症状
ベピオでは、使用開始後に以下のような副作用が現れることがあります。
- 乾燥
- 赤み
- 皮むけ
- ヒリつき
- かゆみ
これらの刺激症状は、使い始めの数週間にみられることが多いですが、使用を続けるとともに徐々に軽減するといわれています。
ただし、100人中3人程度の確率でかぶれ(接触性皮膚炎)が起こることも認められています。
強いかゆみや腫れ、水ぶくれなどの症状が現れた場合は、通常の刺激症状とは対応が異なるため、使用を中止し、速やかに医師や薬剤師へ相談しましょう。
副作用はいつまで続く?
乾燥や皮むけなどの刺激症状は、使用開始から2〜4週間ほどで徐々に落ち着くことが多いとされています。しかし、症状の程度や続く期間には個人差があります。
1カ月以上たっても症状が改善しない場合や、使用を続けるにつれて悪化する場合は、無理に継続せず医師へ相談してください。症状によっては、使用方法や治療薬の見直しが検討されることもあります。
副作用を抑える3つのポイント|対処法

刺激症状をできるだけ抑えながら治療を続けるためには、次の3つを意識しましょう。
- 十分に保湿する
- 塗る量は徐々に増やしていく
- 洗い流す(ゲル・ローションの場合)
刺激症状が気になるからといって自己判断で使用を中止すると、十分な治療効果が得られない可能性があります。
不安な症状がある場合は医療機関へ相談し、治療をコツコツと続けることが大切です。
十分に保湿する
洗顔後や薬を使用した後は保湿剤で肌のうるおいを保ち、乾燥による刺激を和らげましょう。
保湿剤はニキビができにくい処方(ノンコメドジェニック)となっているアイテムを使用するのがおすすめです。
塗る量は徐々に増やしていく
最初から目安の量を塗ると刺激症状が強く出るおそれがあります。
使い始めは少量を部分的に塗り、慣れてきたら段階的に量を増やしたり範囲を広げたりすると刺激症状が抑えられます。
- ステップ1
- 全顔目安量の8分の1程度を顔の一部に塗る
- ステップ2
- 慣れてきたら4分の1程度を全顔に塗る
- ステップ3
- さらに慣れてきたら目安量どおりの量を全顔に塗る
洗い流す(ゲル・ローションの場合)
あまりにもヒリヒリ感が強い場合、10~15分放置した後洗い流す方法を取るのもおすすめです。
刺激に慣れてきたら徐々に放置時間を延ばし、ヒリヒリ感が減ってきたら本来の使い方に戻していきましょう。
洗い流す方法が向いていると感じる場合、主治医にウォッシュゲルへの変更を相談するのも選択肢の一つです。
ベピオを使用する際の注意点

ベピオを安全に使用するためには、使用前に知っておきたい注意点があります。使用できない方や塗ってはいけない部位、日常生活で気を付けたいポイントについて解説します。
使用できない人・注意が必要な人
以下に該当する方は、ベピオを使用できない、または使用前に特別な指導を受ける必要がある場合があります。
- 過酸化ベンゾイルや配合成分でアレルギー症状が出たことがある方
- 過去にベピオでアレルギー反応を起こしたことがある場合は使用できません。
- 妊娠中・授乳中の方
- 治療によるメリットとリスクを考慮して判断されます。使用中または使用を予定している場合は、事前に医師へ相談しましょう。
- 肌が弱い方・敏感肌の方
- 刺激が強く現れるおそれがあります。皮膚の状態を確認したうえで使用しましょう。
- 他の外用薬や内服薬を使用している方
- ピーリング作用のある外用薬や皮脂分泌を抑える内服薬を使用している場合は、肌への負担が大きくなることがあります。使用中の薬は医師へ伝えておきましょう。
該当する項目がある場合は、自己判断で使用を始めたり継続したりせず、医師や薬剤師へ相談してください。
塗ってはいけない部位
ベピオは、以下のような部位への使用は避けましょう。
- 目・口の周りや鼻の中などの粘膜
- 傷や湿疹、ただれがある部位
- 日焼け直後など強い刺激がある部位
これらの部位に使用すると、刺激症状や炎症が強く現れるおそれがあります。誤って目や口に入った場合は、すぐに水またはぬるま湯で十分に洗い流し、異常が続く場合は医療機関を受診しましょう。
日常生活で気を付けたいこと
ベピオの使用中は、肌への刺激をできるだけ避けながら治療を続けることが大切です。以下の点を意識しましょう。
- 紫外線対策を行う
- 十分に保湿する
- 刺激の強いスキンケアは避ける
- 美容施術を受ける前は医師へ相談する
ベピオならではの注意点
ここまで紹介した内容に加えて、過酸化ベンゾイル製剤であるベピオには特有の注意点があります。
髪・眉毛・衣類の脱色に注意
ベピオには漂白作用があるため、髪や眉毛、衣類、タオル、寝具などが脱色することがあります。
薬が乾く前に髪や衣類へ触れたり、塗布したまま就寝したりすると色落ちする可能性があるため注意が必要です。塗布後は手をよく洗い、薬が十分に乾いてから衣類を着たり寝具に触れたりするようにしましょう。
適切な温度で保管する
ベピオは高温や不適切な環境で保管すると、本来の品質を維持できなくなるおそれがあります。同じベピオでも、ゲル・ローションとウォッシュゲルでは保管温度が異なるため、処方された製剤に合わせて管理しましょう。
- ベピオゲル・ベピオローション
- 凍結を避け、25℃以下で保存する
- ベピオウォッシュゲル
- 常温(1~30℃)で保存する
いずれの製剤も、高温や直射日光を避け、子どもの手の届かない場所で保管する必要があります。
なお、開封後の使用期限は1カ月程度が目安となります。
使用期限を過ぎた薬は使用せず、処方時の説明に従って適切に管理するようにしましょう。
ベピオでのニキビ改善が難しいと感じたら

ベピオを正しく使用していても十分な改善が得られない場合は、医師に相談しながら治療方針を見直すことが大切です。
ここでは、ベピオで改善が難しい場合に検討される主な選択肢を紹介します。
薬の変更
ベピオで十分な改善がみられない場合は、有効成分の異なる面皰治療薬への変更が検討されることがあります。例えば、アダパレンを有効成分とするディフェリンなど、異なる作用機序を持つ薬へ切り替えることで、改善が期待できる場合もあります。
どの薬が適しているかは、ニキビの種類や肌質、治療の段階などによって異なるため、医師と相談しながら治療方針を見直すことが大切です。
他の薬との併用
ベピオ単独では改善が難しい場合は、他の薬を組み合わせて治療を行うケースも少なくありません。
炎症が強いニキビには抗菌薬の外用・内服が併用されることがあるほか、体質や症状に応じて漢方薬が処方される場合もあります。
どの薬を併用するかは、ニキビの原因や炎症の程度、体質などを総合的に判断して決められます。自己判断で薬を追加したり中止したりせず、症状に合わせて治療を調整していくことが大切です。
自由診療の検討
保険診療の薬を使用しても改善が難しい場合や、ニキビを繰り返してしまう場合は、自由診療を検討することも選択肢の一つです。
- イソトレチノインの処方
- 低用量ピルの処方
- ケミカルピーリングやIPL(光治療)などの施術
自由診療には、それぞれ適応や費用、副作用、ダウンタイムなどが異なります。自分のニキビの状態に合った治療法を選ぶためにも、医師と相談しながら検討するとよいでしょう。
当院でのニキビ治療
表参道メディカルクリニックでは、ケミカルピーリングやIPL(光治療)、イソトレチノインの処方など、自由診療によるニキビ治療を行っています。症状や肌質を確認したうえで、一人ひとりに合わせた治療法をご提案しています。
「ベピオを使っても改善がみられない」「自由診療も視野に入れて治療法を見直したい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
まとめ
ベピオは、毛穴の詰まりの改善とニキビの原因菌への抗菌作用により、ニキビ治療において幅広く使用される医療用医薬品です。効果を実感するまでには一定の期間がかかり、使い始めには刺激症状が現れることもあります。
そのため、処方された製剤ごとの使い方や注意点を守りながら、焦らず継続することが大切です。
改善がみられない場合は、自己判断で中止せず、医師に相談しながら自分に合った治療法を検討しましょう。
よくある質問
ベピオは市販で買えますか?
ベピオは医療用医薬品のため、市販では購入できません。使用するには、医師の診察を受けて処方してもらう必要があります。
市販薬を使用しても改善がみられない場合や、繰り返しニキビができる場合は、皮膚科への受診を検討するとよいでしょう。
ベピオはニキビ跡にも効果がありますか?
角層剥離作用によって副次的に炎症後色素沈着タイプのニキビ跡が改善する可能性はありますが、ニキビ跡の改善を目的とした薬ではありません。
ニキビ跡が気になる場合は医師に相談し、自分の症状に合った治療法を検討するとよいでしょう。
ベピオとディフェリンは併用できますか?
ベピオとディフェリンの両方の作用が必要な場合は、2つの有効成分を配合したエピデュオゲルが処方されることが一般的です。
一方で、症状によっては医師の判断のもと、ベピオとディフェリンを併用するケースもあります。
ただし、どちらも乾燥や皮むけ、赤みなどの刺激症状が現れることがあるため、併用すると副作用が強く出るおそれがあります。自己判断で手元にある薬を組み合わせて使用せず、必ず医師の指示に従いましょう。
【参考】
「医療用医薬品 : ベピオ」『KEGG MEDICUS』
「医療用医薬品 : ベピオ (ベピオウォッシュゲル5%)」『KEGG MEDICUS』
「ベピオゲル・ベピオローションを使用される方へ」『ニキビ一緒に治そうProject(マルホ株式会社)』
「ベピオウォッシュゲルを使用される方へ」『ニキビ一緒に治そうProject(マルホ株式会社)』







